改正行政書士法が自動車業界に与える影響――「グレーな慣行」が通用しなくなった理由とは

なぜ今、行政書士法が注目されているのか

自動車販売の現場では長年、車庫証明や登録手続きを「販売サービスの一環」として販売店スタッフが対応するケースが少なくありませんでした。

顧客の利便性を考えれば自然な流れに見えますが、官公署へ提出する書類を、他人の依頼で作成する行為は、本来、行政書士法により行政書士の独占業務とされています。

しかし自動車業界では、

  • 慣習として行われてきた
  • 車両価格に含まれている
  • 手数料名目だから問題ない
    といった理由から、厳格な運用がされない時代が続いてきました。

この曖昧な状況に、ついに明確な線が引かれたのが、令和7年公布・令和8年1月1日施行の改正行政書士法です。


改正の本質は「曖昧さの排除」

今回の法改正は、新しい義務を増やしたというよりも、これまでグレーとされてきた行為を明確に違法と位置づけた点に本質があります。

特に重要なのが、「報酬の定義」が極めて広く明文化されたことです。


最重要ポイント

「いかなる名目であっても報酬に該当する」という考え方

改正行政書士法では、他人の依頼を受けて、いかなる名目であっても報酬を得て官公署提出書類を作成する行為は、行政書士に限定されることがより明確に示されました。

これにより、次のような説明は通用しなくなります。

  • 書類代ではなく「事務手数料」
  • コンサルティング費用に含めている
  • 無償サービスだが車両価格に反映されている
  • 納車準備費用の一部として処理している

実質的に経済的利益が発生していれば、それは報酬
という判断がなされる可能性が極めて高くなったのです。


法人も処罰される「両罰規定」の新設

今回の改正で、販売店にとって最もインパクトが大きいのが両罰規定の導入です。

これまでは違反があっても、処罰対象は実務を行った個人に限定されるケースが多くありました。

しかし改正後は、

  • 違反行為を行った 社員個人
  • その行為を業務として行わせた 法人(会社)

両方が同時に処罰対象となります。

想定される罰則

  • 個人:1年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 法人:100万円以下の罰金

金額以上に深刻なのは、コンプライアンス違反としての社会的評価の低下です。

メーカーとの契約、金融機関の評価、顧客からの信頼――
そのすべてに影響が及ぶリスクがあります。


現場で起こりやすい違反行為(自動車関連)

車庫証明に関する例

  • 販売員が申請書を作成する
  • 顧客情報をシステムに流し込み書類を完成させる
  • 提出後、警察署で修正・追記を行う
  • 窓口対応としてその場で訂正する

自動車登録に関する例

  • OCR用紙や登録申請書を作成する
  • システム出力で実質的に書類を完成させる
  • 運輸支局で補正や追記を行う

「少し直しただけ」「頼まれたから」といった事情があっても、作成行為に該当すれば違反です。

【公式見解】日本行政書士会連合会が示す「違反となる具体例」

ここまで紹介した内容は、決して誇張や一行政書士の独自解釈ではありません。

日本行政書士会連合会は、令和7年12月24日付で、自動車販売会社に向けた公式な周知文を公表し、
車庫証明申請および自動車登録手続において、行政書士法違反となる具体例を明確に示しています。

以下は、その周知文の一部抜粋です。


よくある誤解

「提出だけなら問題ない?」

提出行為そのものは直ちに違法とは限りません。
しかし現実には、窓口での補正・訂正対応が発生しやすく、結果的に違反となるリスクが極めて高い運用です。


OSS(ワンストップサービス)でも油断は禁物

自動車登録のデジタル化が進んでいますが、OSSだから自由に代行できるわけではありません

他人の依頼を受け、報酬を得て申請データを作成・送信する行為は、オンラインであっても行政書士の業務範囲と判断される可能性があります。


行政書士に依頼する本当のメリット

単なる「外注」ではありません。

  • 営業担当者が本業に集中できる
  • 最新の法改正に即した対応が可能
  • 不備・却下リスクの低減
  • 特定行政書士であれば不服申立ての代理も可能

法的リスクの回避そのものが経営メリットになります。


丁種封印資格を持つ行政書士という選択

登録からナンバー封印まで一貫対応できる丁種封印取付資格者の存在は、業務効率とコンプライアンスの両立に直結します。

登録・封印・納車までをスムーズに進められる体制は、販売店・顧客双方にとって大きな価値です。


これからの自動車業界に求められる姿勢

2026年以降は、「売れるかどうか」だけでなく**「適正な手続きをしているか」**が問われる時代です。

行政書士との連携を明確に打ち出すことは、むしろ信頼獲得と差別化につながります。


まとめ

改正行政書士法は“経営の見直し”を迫っている

今回の法改正は、自動車業界を締め付けるためのものではありません。

不透明な慣行を是正し、業界全体の信頼性を高めるための転換点です。

今こそ、業務フローの見直しと、行政書士との適正な連携を進めるべき時期と言えるでしょう。

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